タブレットより重要なもの?

私自身少し気になって記事にも書きましたが、アップルがQuattroを買収したというニュースが今月ありました。

当ブログでもすっかりお馴染みのJohn Gruberですが、この件について21日の記事で示唆的なことを書いていました。

アップルがiPhoneのデフォルト検索エンジンをGoogleからBingに変更することを検討していて、Microsoftと話し合いをはじめたということはみなさんもご存知のことと思います。Nexus One発売でGoogleが携帯端末ビジネスに参入したのに加え、アップルがQuattro買収によりモバイル広告に真剣に取り組み始めたことで、アップルとグーグルの対立関係が鮮明になったことが大きな理由であることは間違いありません。

でもグルーバーは、別の見方もできる、と言います。

その見方とは、デフォルト検索の重要性。

グルーバーによると、デスクトップSafariのデフォルト検索がGoogleに設定されていることでアップルはGoogleから月に200万ドル得ている(2007年の時点)、iPhoneでもおそらく同様のことが行われているであろう、それに金銭的な面だけでなく、検索の質も重要だ、とのこと。検索エンジンとして現在Googleと張り合えるのはBingしかない(Yahooはだめになってきている)、アップルが本当にGoogleをやめるかどうかは別にして、Microsoftと真剣に交渉することが必要であろう、とも書いています。

このあたりまで読んでいて、何を言わんとしているのか今ひとつわからなかったのですが、アップルのBing導入検討案を報じたBusiness Weekの記事の最終段落からの引用を示した時点で、何を言いたいのかがはっきりわかりました。

Even if it’s consummated, an Apple-Bing deal may prove short-lived. The person familiar with Apple’s thinking says Apple has a “skunk works” looking at a search offering of its own, and believes that “if Apple does do a search deal with Microsoft, it’s about buying itself time.” Given the importance of search and its tie to mobile advertising — and the iPhone maker’s desire to slow Google — “Apple isn’t going to outsource the future.” (話がうまくまとまったとしてもアップルとBingの関係は長続きしない。「アップルがどんな風に考えているか」に詳しい筋によると、アップルは自前の検索エンジンを見据えた専門チームをすでに持っていて、アップルがマイクロソフトと取引するにしても、アップルは時間を買うだけだ。検索とモバイル広告の重要性、それにiPhoneを作っている会社のGoogleを失速させたいという願望を考えてみればいい。アップルが未来をアウトソースするはずがない)

そう、アップルが自前の検索エンジンをつくる段取りにすでにとりかかっている、というんです。

考えてみれば当たり前のことのようですが、タブレットのことに気を取られすぎていて、不意をつかれたような気がしました。

今さらながら改めて思いましたが、検索ビジネスって結構な額のお金が動いているんですね。私にはまだまだ業界の深層にたどり着けるような知見がなさそうです。修行します。

Macと「セレブ」な記憶

今日は神妙な気持ちのzackyです。

ブログをはじめて丸5ヶ月。WordPressに引越してから2ヶ月半。Apple信者宣言してから1ヶ月半。ブログを始めた当初は備忘録の域を超えることを想定していなかった拙ブログですが、WordPressに越してからのPV数が20,000を超えました。

まずは、私のブログの師匠Marrさん、そして当ブログのアップル関連記事をたびたび取り上げていただいておりますApple-Style 所長にお礼と最大限の敬意を示したいと思います。同時に、拙ブログをご覧いただいている皆さまに感謝。WordPressに引越してから、多くの方々にアイデアを共有していただいたということについて、やはり尋常ならぬ思いを私なりに抱いております。

(ここからはいつにもまして個人的な体験記ネタですので、お時間のある方のみお付き合いいただければ幸いです)

あらゆる状況を勘案し、今このような想像だにしなかった事態に至っていることの直接的な理由を考えるならば、私が1997年にPower Macintosh 7600/200を購入したことがそうであるのかな、と思います。Macを買った理由は、当時親しかった職場の同僚(先輩)に勧められたから。私にとってはじめてのパソコンでした。それまではワープロを使っていました。29歳でしたから、パソコンを手にした年齢としては遅い方でしょう。

私のアップルとの関係は、この時点で決していました。当時は知る由もありません。

実は、7600/200は4年ほど使い、知人に譲りました。

その後メインはWindowsになりました。でも、一度Macを使った人間にとって、Macは非常に重要な存在になる。私の最初のパソコンがMacでなければ、今の私はなかったかもしれない。あるいは、これだけ魅力的なマシンとなったMacとの出会いは、過去の経験がなくとも果たせていたかもしれませんが、過去にMacを使った記憶は、今の私にはとても重要なものであることは確かです。

7600/200はよくフリーズしました。使っていたワープロはNisus Writer(懐かしい!)。パソコン初心者の私はWindowsを使う同僚とのファイル互換に悩みました。思えば、ジョブズがアップルに復帰する前のMacです。ジョブズに言わせれば「ちっともそそらない」マシンが私の最初のMac経験だったわけです。

3年ほどで7600/200を手放しましたが、その後中古でColor Classic IIを手に入れたんですよね。実質的にはあまり使いませんでしたが、やはり何らかの形でMacは所有しておきたかったのかもしれない。

2001年にiBook G3を購入。2007年までだましだまし使っていました。でもディスプレイのバックライトがダメになって、自力で交換を試みるもアウト。1年ほどMacの空白期間ができました。

その間、次のMacについていろいろと考えました。身近なMacな人達はみなPowerBookかMacBook/MacBook Proを持っていました。個人的にはモバイラーの道を歩んでいたので、当時すでに12インチモデルが廃止され、13インチ以上+2キロ以上の選択肢しかなかったMacに、正直なところ食指が向かないというのはありました。だからPowerBookの12インチを中古で買うことをかなり真剣に考えていたのですが、ここで逡巡。

そんな私でしたから、2008年1月のMacBook Airの発表には非常に興奮しました。MacWorldの逐次レポートをギズモードで追い、満を持してMacBook Air登場、ジョブズのプレゼンが終わりアップルストアで注文が可能になるやいなや、私の指は知らぬ間に注文ボタンを「ポチ」。ポチッたのはSSDモデル。1時間ほどして、30万円超のマシン>>>>>日々の生活という現実ににわかに焦りをおぼえ、あわててキャンセルしてしまいました。それからは日々悶々としておりましたが、4月になって現実との折り合いがつくようになってから、無難にHDDモデルをついに購入し、晴れてAppleかえりを果たしたわけです。

そして現在は、MacBook Air、MacBook Pro 15″、iPhone 3GSが私の日常のすべてです。

残念なことに、私の7600/200の写真はひとつも残っていないんですよね。でも、あのときのオフィスの記憶、仕事の記憶、生活の記憶が、マシンの佇まいとともに不思議と思い出されてくる。それもすごくポジティブに。

iBook G3のことを思い出すときも、気持ちよい太陽の光とキラキラと川面に反射する光りを同時に浴びながら、当時住んでいた川沿いのマンションの一室で仕事をしていたときの部屋の様子や外の風景が目に浮かびます。別に高級な部屋とかそういうわけではなかったですが、いい部屋だったなあ、と今でも懐かしくなります。やっぱり当時も締切に悩まされていましたが、左を向いた窓の外にゆったりと流れる川を眺めながら、時折瞬間的に見えるアクアなデスクトップに心を落ち着けてもらっていたなー、などと思ったり。未だにアクアなデスクトップピクチャを使い続けてる理由は、たぶんこのときの記憶のせいかな、と今気づいたり。

Macって、別に経済的な意味でセレブな生活をしていなくても、記憶の質感を上質なものにする、不思議なものなのかもしれません。

記憶セレブ。あはは。

十数年後、あるいは何十年後かに、MacBook AirやMacBook Proのことを、どんな記憶とともに思いん出すんだろう。

きっと、今の生活の幸せな場面と密接に結びついた、楽しく美しい、良い記憶とともに思い出すにちがいありません。

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