よく考えれば、One More Thing、いらなかった。
11/17/2010 3件のコメント
「ビートルズのないiTunesなんて」
たぶん、そういうことだったのだ、と思います。
でもやっぱり、Appleが動けばパラダイム変化は起こる。ビートルズの楽曲がiTunesで配信されることの意味は、ポップ音楽の伝説が単にiTunesにやってきた、とういことにとどまらないのではないか、と。
今回の発表がビートルズに関するものである、という予想を決定づけたのはWall Street Journalの “Apple Finally Snares Beatles” という記事でした(昨日のエントリはこの記事を読む前にアップしたので、これを読んでいれば昨日の記事はアップしていなかったかもしれません。まあでも、そういうもんでしょう)。
記事によると、アップルとEMIが合意に達したのは、つい先週とのこと。あまりに突然すぎると思われた今回の発表に関する告知も、コンテンツはすでに準備万端で、この合意を待つのみ、という状況だったからなのでしょうね。
で、EMIが合意した一番の理由が、最終的には金銭的な問題だった、ということです。2007年にTerra Firma Capital PartnersがEMIを買収したとき、Terra Firmaはシティグループから27億ポンド以上の借入をしていたことに加え、今年中盤には、さらなる資本注入がなければEMIとしての存続が危ぶまれていたとのこと。
一方、解散から29年(追記:なんでやねん。もちろん39年デス)を経た2009年においても、ビートルズはアメリカでは3番目に(たぶんフィジカルメディアだと思いますが)アルバムを売ったアーティストであり、その枚数は330万枚であるとのこと。
で、iTunesがビートルズに来たことの意味が重要なのは、これがビートルズだけの問題にはとどまらない、ということでもある。ビートルズがきっかけとなり、デジタルでの楽曲販売に難色を示していたAC/DC、ボブ・シーガー、キッドロックなどの大物たちにも変化が見られるのではないかというわけです。記事では、MetallicaやLed Zeppelinが、昨今のデジタル環境においては仲間はずれだった、としていて、こうしたアーティストたちのデジタル環境での底上げが期待される、ということも暗示されています。
記事ではその後延々とアップル(ビートルズの)とEMIとアップル(ジョブズの)の長年にわたる確執の歴史が展開されております。
42歳の私は、ビートルズは後追い世代です。でも私が小学生6年生まではジョン・レノンは生きていました。まあ、アーティストとしてのビートルズを意識したのは、当時ファンだった横溝正史の映画『悪霊島』に Let It Be が使われてから、ということにはなりますが。
今の20代30代の方がビートルズにどのような印象を持っていらっしゃるかは分からないのが本当のところなのです。私なんかはそういう意味では、ビートルズのリアルには少しかすっている世代だ、ということになります。ただ、常にそこに存在していながらも、完全には理解できていない、というイメージが、私にはあります。アルバムも全て持っているけど、結局原体験ができていない。
で、私が音楽に夢中だったのは主に80年代から90年代初頭にかけてなのですが、そのころと今とのメディア環境を比べてみたとき、一番違うのは、音楽もそうですが、映像へのアクセシビリティです。80年代といえばMTVの時代です。音楽を聴くだけのものから、日常のお茶の間で「観る」ものに変えたMTV。でも、ビデオで録画することもままならず、MTVやSony Music TVやベストヒットUSAが始まる時間を待ってようやく見れる、という時代。
考えてみれば、映像のインプットって、かなりあやふやなんですよね。それほど簡単にアクセスできるものではなかったから。ビートルズでさえそうです。いわんや他のアーティストをや。
今回のビートルズについては、音源の豊富さに加えて、映像コンテンツの豊富さにもポイントがあるのではないか、と思われます。
私もいろいろと想像をふくらませていたものですから、ビートルズだけだとわかったときには、あれ?と少し思いましたが、改めて思えば、ビートルズはそれに値するアーティストなのだ、と。
それとやはり、「アップル」は禁断の実だ、ということなんでしょう(笑)。扱いが難しい。
『アラビアン・ナイト』には「3つのリンゴ」という話もあり、リンゴが「葛藤の象徴」だということでもあります。この話から、さらに延々と話が続いていくのです。
ビートルズの「アップル」、そのりんごの絵のモチーフになったのはマグリットの青りんご、そしてジョブズの「アップル」。ビートルズのアップルとジョブズのアップルは、非現実(シュールレアル)なインターフェースに介在されているわけです。一筋縄でいくわけはありません(笑)
おまけに、日本人にとってはリンゴといえばリンゴ・スターですものね。リンゴなんか、もう70歳ですよ。
ほらね。
ビートルズ原体験世代じゃない、おまけにビートルズの大ファンでもない、という私ですら、少し考えを巡らせるといろいろと思いが溢れてくるのがビートルズなんです。そういう存在なんです。だからFab Fourと呼ばれたんです。
そういう伝説が、今iTunesにやって来たんです。
各国版ざっと見ましたが、http://www.apple.com/**/the-beatles/のページの写真は2種類ありますね。
あー、4人の顔をじっくり見るの、久しぶりだなー。
まあ、オッサンの戯言、と思ってください。でも、私のような人間が、世界中に少なからず(というかかなり多く)いる、と私は思います。やはり、これはえらいことです。


とても、ステキな文章ですね。楽しくよませていただきました。わたしも、改めて、ビートルズを聴いてみようかなとおもいます。
beerdogさん、コメントありがとうございます。
ときどき、ナナメからものごとを見てしまう性格が文章にもでてしまいますが、生まれつきだと諦めています(汗笑)。今後ともよろしくお願いします。
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