IS03などを横目にAppleの統合化思想を再考してみる
12/02/2010 7件のコメント
最近、iPhone、iPad、MacBook Air 13インチ、MacBook Pro 17インチの4つをTPOにより使い分けています。App StoreがあるのでiPhoneとiPadは完全に互換的な環境が作れていますし、現在でもiPhoneやiPadとMacBookの連携はシームレスと言っても問題ないですが、まもなくMacにもApp Storeがやってくるわけで、さらに利便性が上がりそうな予感です。
私の場合、情報を閲覧(入手)し、少しの(ときには多くの)インスピレーションを交えてその情報を編集する、という作業を日常的に行なっています。インスピレーションの比率が高くなるとき(そうした時に限って気分が乗らなかったりするのですが)ハードやソフトの操作系のことで面倒なことが起こると、途端に作業効率が落ちます。アップル製品を使う前はこれが問題になっていたのですが、環境を完全にアップル製品にシフトしてからは、非常に生産性が上がりました。何を隠そうこのブログ自体がそのことの証明になっています。過去一年間にこのブログで書いた文章の量を見ると、自分で驚いちゃいます。仕事にその熱意を回せ、と(笑)。そういう意味で少し反省していたりして、最近すでにそうなっていますが、少しブログ更新のペースが落ちそうな予感はしています。でもそうならないように頑張りたいとも思っています。
それは置いといて。
日常の作業は時に非常に骨が折れます。実際のところ、私がアップル製品を使う理由は、①こうした日常の作業をいちばん「楽に」させてくれるからにほかなりません。そこに②UXのよろこびやデザインの素晴らしさといったおまけがついてくるわけです。(でも①と②の順番は、逆になるときもありますし、それがアップル製品の魅力でもあります)
日本で最初にiPhone 3Gが登場して2年半、IS03やGalaxyなどの魅力的なデバイスが出始めています。これは素晴らしいことだと思います。もちろん覚えておくべきなのは、同業各社が現在提示しているこれらデバイスの設計思想の基本的なところはiPhoneのそれに非常によく似ていること。リチャード・ドーキンスではありませんが、モバイルデバイスのエコシステムにおいてはiPhoneはいわば「ミームだまり」のようなものなのかな、と思います。つまり、優れているがゆえに、その技術が全体として発展的に生き延びていく。ジョブズがiPhoneで初めて示したマルチタッチディスプレイを持ったオールラウンドなモバイルデバイス、という基本思想は、アップル製品「以外」の製品にも受け継がれていっているわけです。
iPhone登場からすでに3年半、本当に競争力のある製品が出てきて「しかるべき」ですし、昨今の技術の進歩のスピードを考えるとこれまでにそうした製品が出てこなかったことがむしろAppleの先進性を証明する状況だと言えるわけで、これはあらためてやっぱり大したものだな、と思ったりします。
個別の製品の競争力が拮抗してきたとして、すっかりAppleに転向した私ですが、じゃあ文系のモバイル横好きの私が、他のちょっといいかもしれない製品に飛びつけるのか。
それはやはり難しいなあ、と考えます。
例のオープンかクローズドかの議論について、前回のAppleの決算報告でジョブズが次のように言っていたことを思い出します。
In reality, we think the open versus closed argument is just a smokescreen to try and hide the real issue, which is, “What’s best for the customer – fragmented versus integrated?” We think Android is very, very fragmented, and becoming more fragmented by the day. And as you know, Apple strives for the integrated model so that the user isn’t forced to be the systems integrator. We see tremendous value at having Apple, rather than our users, be the systems integrator. We think this a huge strength of our approach compared to Google’s: when selling the users who want their devices to just work, we believe that integrated will trump fragmented every time.
(実のところ、オープン対クローズドの議論は、本当の問題を見えにくくするための単なる煙幕にすぎない、とわれわれは考えます。本当は「消費者にとっては、断片化(分裂化)と統合化の対立のなかで、何がベストなものなのか」が問題なのです。われわれは、アンドロイドは極めて断片化されているものだと考えています。日を追うごとにどんどん分裂している。対して、アップルは統合化モデルを追求することに努めていますが、このときユーザーにシステムを統合することを強いることはありません。われわれは、ユーザーではなく、アップルという会社がシステムインテグレーターになることに価値を見出します。このことが、Googleなどと比してわれわれのアプローチは非常に強力であると考える理由です。ただ「使えるデバイス」が欲しいと考えるユーザーに対して売る場合、統合モデルが断片化モデルに常に勝つと、われわれは信じています)
And we also think that our developers could be more innovative if they can target a singular platform, rather than a hundred variants. They can put their time into innovative new features, rather than testing on hundreds of different handsets. So we are very committed to the integrated approach, no matter how many times Google tries to characterize it as “closed.”
(そしてデベロパーは、たくさんの変種がある環境よりひとつのプラットフォームを利用することが前提になることでより革新的な仕事ができると考えています。何百もの異なるデバイスをテストすることなく、製品そのものをいいものに仕上げることに時間を注ぐことができる。だからこそ、Googleがこうした状況を「クローズド」だとしてなんども批判しようとも、われわれは統合化アプローチに心血を注いでいるのです)
これを読むと、私はまさにジョブズが想定する消費者のひとりだ、と思います。
私は現在ではアップル信者ですが、それは、アップルが私の生活を極めて充実させてくれる環境を与えてくれてこそなんです。以前はテクノロジーの勉強もしておいたほうがいいと思って言語を少しかじろうとしたこともありましたが、そもそも素人です。時間もなければ才能もない。そんな人間が生半可に足を踏み入れられるものではない。ならば、信頼に値するメーカーの製品を使い、消費者としてものを言うほうが懸命だ、と考え方を変えました。
結果、アップルの統合化された環境の中で、極めて生産的な生活を送ることができています。
モバイル好きな私の一部分は、もちろん新しいデバイスに関心があります。ひょっとしたら試してみることぐらいはするかもしれませんが、結局のところ少し機能が拮抗してきたからといって、アップルが提示している統合的で効率的な環境を捨てることは、今のところ考えられません。
結局は、自分が一番大事だ、ということなんですけど(笑)。でも、そういうわがままな感じの私の要求に答えているのが、まさにAppleという会社の製品なんですよね。
近い将来にしんどい仕事があるときは、その先の楽しい予定のことを思いながら、その場をしのぐ(笑)。たぶん誰でもやっていることだと思いますが。
Appleの戦略って、これですよね。新しいOS X、AppStore for Mac、新しいiPad(?)、さらにはクラウドサービスなどなど、ユーザーの気持ちをわくわくさせるような可能性を常に用意して、たまに裏切るかもしれませんが、大体は当ててくる。最近は打率が高すぎて、嬉しいことであると同時に、こちらの懐事情も大変です(笑)。とはいえ、私の場合も、iPhoneとMacBook Airの組み合わせだけでも事実上事足りている気がします。iPadとProはいわば贅沢です。おかーちゃんごめんなさい。





最近のコメント