オバマ大統領、iPadと教育について

オバマさんと言えば、大統領選挙の際スタッフがMacを使っていましたし、この

パックマン・マックでもおなじみですので、アップルには非常に近いイメージを持たれている方は多いと思います。

そのオバマさん、ハンプトン大学の卒業式で、アメリカの教育の未来について触れ、電子情報デバイスと教育の関係についての認識を示したそうです。iPadが社会現象となっている現在行われたスピーチなので、iPadが彼の頭のなかでハイライトされていることは明らかなように思われます。ともあれ、現代のわれわれが置かれているのが、真実という尺度に照らして質がいいとは必ずしも言えないような有象無象の情報も入り乱れるメディア環境であるとして、次のように言います。

And with iPods and iPads, and Xboxes and PlayStations — none of which I know how to work — information becomes a distraction, a diversion, a form of entertainment, rather than a tool of empowerment, rather than the means of emancipation. So all of this is not only putting pressure on you; it’s putting new pressure on our country and on our democracy.(iPodやiPad、Xbox、プレステなどがなぜ動くのかを私は知らないが、今こうしたものは我々に力を与えてくれる道具、あるいは解放の手段ではなく、気晴らしや娯楽の手段になっている。この状況は、あなたたち若者にとっての重圧であるばかりか、アメリカという国、そして民主主義にとっての重圧にもなっている)

ハンプトン大学が南北戦争中の1861年に逃亡奴隷を受け入れる学校として始まった経緯を語り、創設者たちはしかるべき教育を行うことにより不公平という障壁が取り除かれることを見通していた、として、黒人奴隷から身を立て、奴隷解放のための活動を行ったフレデリック・ダグラスの言葉を引用します。

They recognized, as Frederick Douglass once put it, that ‘education means emancipation.’ They recognized that education is how America and its people might fulfill our promise.(フレデリック・ダグラスがかつて言ったように「教育とは解放のこと」であると創設者たちは見通していた。彼らは教育がアメリカとその国民が我々の約束を果たす手段であることを見通していたのだ)

かつては高校を出ることがミドルクラスへの切符だったが今や学士号、あるいはそれ以上の学位がそれに取って代わり、大統領自身が高等教育への支援を行っていることを強調しつつ、大学の卒業生が持つべき「責任」を語ります。

All of us have a responsibility, as Americans, to change this, to offer every single child in this country an education that will make them competitive in our knowledge economy. That is our obligation as a nation.(すべての子供が知識経済のなかで競争力をもてるような教育を受けられるようにする責任を、我々はみな持っている。アメリカ国民としてのこれは義務なのだ)

オバマ大統領もミシェル夫人も、ことあるごとに教育の重要性について語っています。今回はiPadが社会現象となっているタイミングで、情報技術をめぐるオバマさんの認識とあわせてこのことについて語り、情報技術の娯楽化が「民主主義の重圧」にもなりかねないと憂慮しているのですが、これは情報技術の生活への適用の仕方にも左右されるものであるということは大統領自身、示唆しています。つまり、「気晴らしや娯楽」だけではなく「力を与える道具、あるいは解放の手段」としての情報技術のありかたも同時に提示しているのです。

先日のエントリでも書いたのですが、あるモノを使うときの「意識」というのは非常に重要で、情報技術についてもしかり。

iPad発表時のジョブズのプレゼンにおいて私が強調したのは、ジョブズがプレゼンの最後に提示した「われわれはいつもテクノロジーとリベラルアーツが交わるところにこだわってきた」という「リベラルアーツ」の概念。「リベラルアーツ」とはまさに、奴隷ではない「自由人」として生きるための技術のこと。

私自身、易きに流れてしまう人間の代表だ、と痛感することしきりなんですが、いかに「意識」的に、モノにも対峙しないといけないか、ということを、改めて考え直すきっかけになるオバマさんのスピーチでした。

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