米大学におけるiPad導入の動き

アメリカの高等教育機関におけるiPadの導入の動きについてのArsTechnicaの記事をCNNが伝えています

iPadについては、協調的教育ツールやカリキュラム共通の標準化モバイルデバイスなどといった、教育効果からの導入が検討されているのはもちろんのこと、コスト削減の効果も考慮されているとして、各大学の現時点での取り組みが紹介されています。

オクラホマ州立大学では、今年の秋学期からメディア系とビジネス系のコースでiPadを使ったパイロットプログラムが開始される予定です。このプログラムでは iPad が学習ツールとして、またビジネスの現場で、どれほど効果的に活用できるかが検討され、Bill Handy客員准教授によると「高等教育におけるiPadの価値が問われることになる」とのことです。iPad と特定のアプリが学力強化、そして就職後の学生の戦略的能力にどのような影響があるかを調べる、興味深いプログラムになりそうです。

499ドルから、という iPad の価格も、コスト削減の可能性につながります。記事では詳しくは述べられていませんが、標準的な履修数である5コースを履修した場合、5コース分の紙の本(ただし新品ですが)を買う代わりに電子書籍を買うだけですでに iPad の代金が相殺されてしまう、という例が挙げられています。

イリノイ工科大学のプログラムはさらに野心的で、学部1年生550人全てに iPad が配布されます。全員が同じハードとソフトを持つことで、よりカリキュラムに組み込みやすくなる。また、iPad を使いたい教員には使わせるようにし、ほとんどの教員は興味を持っている、とのことです。

昨年の秋学期には Kindle が同様のパイロットテストで使われはじめ、印刷物の電子化には多くの学校が興味を持っています。アマゾンは Kindle DX をアリゾナ州立大、ケイス・ウェスタン・リザーブ大学、ペイス大学、プリンストン大学、リード大学、ワシントン大学、ヴァージニア大学ダーデン経営大学院の評価プログラムに提供しています。

ただ Kindle の場合、これまでのところメリットよりデメリットの方が目立っているとのこと。リード大学の学生はページをめくるスピード、入力のしにくさ、ネットワークから PDF を取り込めないこと、一度に1冊のテキストしか見られないことなどを不満としていて、教員側には Kindle に文書を最適化するのがかなりの労力になってしまっている、とのことです。ダーデンのパイロットプログラムに参加している学生は、個人的な読書ツールとして Kindle は良いけれど、大学で使うには不合格だ、と感じているようです。

一方で iPad には多方面から期待が集まっています。先のオクラホマ州立大やイリノイ工科大の例をはじめとして、セトン・ホール大学は iPad の出荷開始後いち早く “An iPad for Everyone” プログラムを実施、すでに MacBook を配布するプログラムを実施しているジョージ・フォックス大学では iPad か MacBook を選択可能に、ノースカロライナ州立大の図書館ではこの春から30台の iPad を学生と教員に4時間単位で貸し出すサービスを開始、などなど、いろいろな試みがされています。ノースカロライナのサービスは、どんなものか試してみたい、と思っている学生や教員にとってはありがたいサービスですね。

デューク大学のグローバルヘルス研究所はフィールドワークに最適なツールとして、メリーランド大学ではデジタル文化創造プログラムの75人の学生にコースワークの資料閲覧とアプリ開発を目的として配布するとのこと。将来的にはモバイルデバイスをカリキュラムに組み入れる構想を持っているようです。

リード大学では Kindle に続いて iPad も導入。紙の本のテキストと Kindle の比較調査にさらに iPad が参入してきた形です。Kindle は紙の本に負けた形でしたが、iPad はかなりいい線行くのでは、と予想されているとのこと。ページをめくるスピード、入力のしにくさ、ネットワークからのファイルへのアクセシビリティなどが Kindle の問題でしたが、確かに iPad はこれらをクリア出来ている、と私も思います。iOS 4の高速化とマルチタスクが付加されれば、大学という教育現場でさらに使えるデバイスになる可能性はある。

以上が記事の概要です。

印象的だったのは、やはりKindleとの比較ですね。個人ユースとしてKindleは非常に秀逸だけれど、大学などでの多人数が参加するプログラムでの使用を考える場合、コンテンツへのアクセシビリティなどを考慮するとやはりKindleは全く使えないデバイスになってしまう。この点 iPad は断然有利です。

まだ少し時間はかかりそうですが、iPadのようなピュアタブレットデバイスが「標準的」な教育ツールになるであろう可能性は、かなり感じられますね。

広告

2 Responses to 米大学におけるiPad導入の動き

  1. ピンバック: 米大学におけるiPad導入の動き « 田園 Mac 〜Mac Pastorale〜 | ipad-love.info

  2. ピンバック: links for 2010-07-27 « 個人的な雑記

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。