アップルの求人広告と次期 OS X

この間は OS X「が」iOS「に」統合されるといういささか突飛な意見に関する記事を読み私も興奮気味でしたが、今回は少し冷静に。とはいえやはりOSに関する話題です。

ComputerWorld の Jonny Evans がこのところ OS に関するアップルの動きに注目していて、拙ブログでも先日の驚くべき新製品って、やっぱり MacBook (Air)?という記事で取り上げたのがエヴァンスの「Mac(Book) に iOS が来るのでは」という予測に関するものでした。その後 Magic TrackPad が発売され、Mac に(事実上)「タッチ」がもたらされたことに加え、アップルが OS X の次期バージョン開発のための人材を探しているという 9to5 Mac の記事を承け、WWDC 2011: Apple focus turns to OS X 10.7 という記事において、自身の予測が裏付けられてきているとエヴァンスは自信を深めているようです。

アップルは様々な面での複雑な競争に関わっているので、今その中心的なDNAに照準をあわせている、それは他社が真似できないものだ、他社がそうではないというわけではないが、アップルには極めて優秀な人材がいる、と述べて、上級のソフトウェアエンジニアを募集するアップルの求人広告の分析を行ないます。そういえば、アップルの求人広告をまともに見るのはあまりないことなので、ひとつきちんと見てみます。

Are you looking to help create something totally new? Something that has never been done before and will truly amaze everyone? Are you excited by the prospect that what you helped create would be used every day by millions of Apple customers? Then come and work on with the Mac OS X software engineering team to help build a new and revolutionary feature for Mac OS X.(全く新しい何かを創りだしてみたくはないですか?これまでにだれも成し遂げたことがない、すべての人を驚かせる何かを?あなたが創りだしたものが多くのアップルユーザーに毎日使われる、そう考えるとわくわくしませんか?もしそうなら、革命的なOS Xを開発するエンジニアチームで仕事をしましょう)

We are looking for a senior software engineer to help us create a revolutionary new feature in the very foundations of Mac OS X. We have something truly revolutionary and really exciting in progress and it is going to require your most creative and focused efforts ever.(現在、基礎の基礎であるMac OS Xの革新的な機能の開発を行える上級ソフトウェアエンジニアを募集しています。今私たちの手もとには本当に革命的でわくわくするものがあり、あなたの創造的で集中的な取り組みを必要としているのです)

An ideal candidate will have a degree in Computer Science (or equivalent), five years of professional experience developing C / C++ / Objective-C libraries or frameworks for use on end user systems, experience with developing for Internet technologies and services, and a passion for doing “really hard” things that have never been done before.(コンピューターサイエンス[もしくは同等の]分野での学位を有し、エンドユーザシステムにおける C / C++ / Objective-C ライブラリもしくはフレームワークでの5年以上の開発経験、インターネットテクノロジーやサーヴィスの開発経験、そしてこれまでに誰も成し遂げていない「極めて困難な」ことを成し遂げるという情熱を持っていることが望まれます)

An exceptional candidate will also have up close and personal experience with the HTTP protocol as well as other protocols layered atop it, have participated in or lead the architecture of large web scale systems, have shipped multiple “platforms” for use by millions of users.(HTTPプロトコルとその他のプロトコルレイヤーに関する豊富な経験、大きなウェブシステムのアーキテクチャ開発に参加あるいは開発を指揮した経験、多くのユーザーに使われている複数のプラットフォームを世に送り出してきた経験があればなおいいです)

以上がアップルの求人広告。さて、そこでエヴァンスは分析を行います。

第1段落(からわかること)

  • the new feature will be system-wide(それがシステム全体に及ぶ新しい機能であり)
  • That the new feature will be within the user interface itself — how else can AAPL be so certain it will be used every day by millions of users?(多くのユーザーに使われるということなら、それはUIに関するものになるはず)

第2段落

  • Revolutionary is Apple’s buzzword for its most advanced and important products. At present touch and iOS are the most revolutionary of these. This is not to say the revolution will not be mobilized — there could be another circulation wating in the wings, but its a fairly good bet we’re looking at the mythical iOS integration (do it as a dashboard widget and work from there).(「革命的な」が頻出しているが、これは重要な製品を作るときのキーワード。現在のところタッチとiOSがその代表。新しいものがすでに動き出している可能性がある。例えばダッシュボードウィジェットから動かせるようなiOSの統合を予想してもおかしくない)
  • Whatever it is is[sic] isn’t finished yet. It could fly in all manner of directions. Nothing is (yet) set in stone.(それが何であれ、まだ開発は完了していない。まだいかようにもなる可能性がある)
  • Apple needing more staff for this also suggests budget has been freed-up for 10.7 development, suggesting too that the company is on a deadline for this. I’d advance WWDC 2011 as a very big upcoming deal as a result.(この求人が示唆しているのは、OS X 10.7を開発する予算がまだあるが、同時に開発期限を定めていること。WWDC 2011に照準が合わせられているだろう)

第3段落

  • Apple wants a genius with extensive technical skills. Whoever fits this bill will have a chance to create something utterly new. Very exciting. Not sure what else to say.(アップルは天才を求めている。全く新しいものを創りだすような。Very exciting。他に何が言えよう)

第4段落

  • Google Chrome is not going to be the only HTTP/Internet-compliant platform.(Google ChromeだけがHTTP準拠のプラットフォームではない)

最後にエヴァンスは、グーグルがグーの音も出ないほどの先進的な技術を開発するために全力を集中するぐらいの気概がアップルにある、血みどろの戦いになるかもしれないが、これまでの進歩が霞むぐらいのテクノロジーにおけるパラダイムシフトがあるだろう、と付け加えています。

記事の内容は以上ですが、アップルが求める条件を満たす人材の数ってかなり限定されますね。エヴァンスによれば経験も天賦の才も求められるわけですから。でも日本からも「ここはひとつ」ということでどなたか応募される強者がいらっしゃることを望んだり。

私自身はアップルの OS戦略を特に意識しだしたのがエヴァンスの記事がきっかけになっていて、いろんな可能性を夢想しては楽しんでいます。そもそも、次のMac OSはOS XIになるのか、みたいなことがフォーラムで語られていたりしますが、アップルの求人では “OS X”と断言されているので、名称については次期バージョンもOS Xで行くことは間違いなさそうです。まあ、どんでん返しもあり得ますけどね。それにしても、年内に出るとされる「驚くべき新製品」が、こうした流れのさきがけとなるものとなることはもはや確信に変わってきております。それが MacBook Air に代わる何かなのか、もしくは Apple TV に関するものなのか、iTunesも含めたクラウドに関するものなのか、あるいはそれらひっくるめたすべてなのか。

・・・私の場合、買い物でも買う前にあれこれ考えている時が結構一番楽しかったりしますが、アップルの未来についてこうやっていろいろと予測ているときも、すごく楽しかったりします。まあ、業界外の人間が外から眺めているので気楽に楽しめている、ということなのかもしれませんが、それにしても楽しい。変でしょうか。

One Response to アップルの求人広告と次期 OS X

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