iPadは電子教科書としては小さすぎる?

でかい。

米TIME誌が “Kno Wants a Slice of Apple” という記事で、“Kno”という電子教科書に特化したタブレットを紹介しているのですが、この製品、D8でも紹介されて少し話題になっていました。

最初にその製品の紹介ページなどで見た私の印象は、とりあえず「でかい」というものでした。14.1インチのタブレットデバイスが縦に2枚並べられ、真ん中のヒンジでくっつけられて折り畳む、というのが基本仕様のようです。重さは2.5キロ(! MacBook Pro 15″と同じ)と、680グラムのiPadが少し重たいぐらいに感じる日本人には、この時点でかなり厳しい仕様だなぁ、という印象を持っていて、あまり実用的じゃないんじゃないかな、ぐらいに思ってました。Kno社のページを見ると、この折り畳み版だけではなく、iPadのようにシングルタブレット版も最近追加し、1.3キロ弱(MacBook Air 13″とほぼ同じ)で持ち歩ける環境も用意したようです。

最初にKnoを見たこのときは、あまり実用的ではないなぁ、と考えていたのですが、このTIMEの記事を読み、少し興味がわきました。

Osman Rashid氏はKno社設立前にCheggという教科書レンタル事業を興していて、全米の6000以上の大学向けに420万種類に及ぶテキストのレンタルサービスを提供していたということです。McGraw-HillやCengage Learningなど、テキスト販売としては最大手の企業とすでにパートナーシップがある状態での電子教科書事業参入ということになり、こと電子教科書としての位置づけで考えるなら侮れないポジションにKno社があることは確かです。教科書市場は年間40億ドルと、規模は巨大です。そしてすでにこの市場に食い込んでいるKno社に対しては5,500万ドルが出資されています。

さらに気になるのが、あのマーク・アンドリーセンがKno社の最大の出資者である、ということ。

Knoの現在販売価格として現在設定されているのが1,000ドルで、これは最も安いiPadの倍です。iPadをいち早く導入しているSeton Hall大学などでは、学生はフリーのアプリInlkingを使って教科書を読んでいますが、このInklingの創業者のMatt MacInnsは、iPadが10倍もいろんなことができて半分の値段で買えるのに、なぜKnoに1,000ドルも出さないといけないんだ、と言います。これに対してアンドリーセンは、学生はKnoをiPadと比べるのではなく、バックパックの中のテキストの値段と比較しているんだ、としています。

ということは、記事では明示されいませんが、こと大学での教科書販売ということに限って言うならば、大手教科書会社との提携関係により、教科書を一段と安く提供できるのがKnoの強みである、ということになるのでしょうか。年間1,000ドルの教科書代がかかるところ、教科書をレンタルすることで費用を半分に抑えることができる、という学生にとってはある意味ありがたいサービスをCheggはすでに提供しています。

さらにさらに気になるのはアンドリーセンのこの発言。”Today’s experience of buying and carrying around textbooks is awful and expensive. Other tablets can’t display a textbook page because the screen is too small. The screens literally can’t support the textbooks.”(テキストを買って持ち運ぶのは面倒だし、値段が高い。ほかのタブレットはディスプレイが小さすぎて教科書全体を表示できない。ディスプレイが教科書向きじゃないんだ。)

私の直近の経験は、MacBook Airを買うときに13.3インチにすべきか11.6インチにすべきか、というものでした。端的には、私の視力が高解像度の11.6インチ画面に表示される文字の小ささについていけない、というのが大きいサイズを「選ばざるをえない」理由でした。過去にWindowsの極小モバイル機を渡り歩いてきた経験もあり、小さい文字が負担になることが身にしみていたので、未練を残しつつも「アップル史上最小」を選択することができなかったことを非常に残念に思っております。

私が言いたいのはそういう個人的な後悔の問題ではなく、例えば視力的にきつい、とか、教科書を表示するのに最適な大きさはどんなものか、という、個々の状況によってハードが規定されてくる部分があって、こと大学で使う教科書、という文脈で考える場合、やはりiPadは小さいかもしれない、と思ったりもするわけです。小学校や中学校ぐらいまでならiPadはちょうどいいサイズかもしれませんが、高校・大学ぐらいになるとたしかに少し小さい気がします。

私など、できればMacBook Air 17インチが出て欲しいと思っているぐらいの人間なので、先日のイベントの際ジョブズがMacノートの未来はそっちだ、的発言をしていたので非常に期待しているのですが、小型iPadがとりざたされてはいますが、私はどちらかというと巨大iPadの方向性を探って欲しい、という気持ちでいたりします。

ラシードさんも出ているKno紹介ビデオ。デバイスとしてのできは、iPadとは比較にならないですが、Appストアしかりですが、やはりコンテンツは大事です。

7 Responses to iPadは電子教科書としては小さすぎる?

  1. ピンバック: Tweets that mention iPadは電子教科書としては小さすぎる? « 田園 Mac 〜Mac Pastorale〜 -- Topsy.com

  2. Futu より:

    そのためのピンチで拡大だと思っていました。
    デフォルトでその大きさと重さと固さ。どうなるのか楽しみです。
    個人的にはiPadガンバレです。

    • zacky1016 より:

      Futuさん
      コメントありがとうございます。
      絶対的な画面の大きさが作業効率を上げる、というのは私の持論みたいなものなのです。もちろん私もiPadがんばれです。

  3. isaac より:

    米国のtextbookの重さは半端でないし、むちゃくちゃ広い学校も多いので、2.5kg x 4冊持ち運ぶよりは、一つに纏まって、しかも探しまわる必要ない、と言う事で、導入する学校があるかも知れません。 ただ、ちょっと実際に使っているところを想像し難いですね。 立てたらまるで屏風だし、机に置いてもはみ出すかも知れませんね。
    仰るように、コンテンツを握ってますから、これでダメでもfeed-backを得ながら、改良していくことで、いいものが出来るかも知れません。 それにしても、自社のビジネスモデル(レンタル)にしがみつく事なく、もっといいものを、と提案してゆくという姿は羨ましいですね。

    • zacky1016 より:

      いい体力づくりにはなるんですけどね(笑)。
      Knoはデバイスとしては???ですし、14.1×2というサイズは、日本人には絶対に発想できないものですが、例の小さなフラップテーブル一体型の椅子に載せて、逆にタブレットを大きなテーブルとして使う、みたいな使い方もできるかもしれない、と今思ったり(笑)。それは冗談として、おっしゃるとおり、どんどん前に進んでいく新進企業のエネルギーには学ぶところが多いな、と思います。

      • isaac より:

        >>いい体力づくり
        確かに。 うちの娘は、高校時代にシャトルバスを逃すと、次の授業の校舎まで1マイル弱をPBG3とtextbooksを背負って走ることになり、ラクロスの練習よりきつかったと申しておりました(笑

      • zacky1016 より:

        テキストの厚み=知識の厚み、というわけではないのですが、シビアなクラスが二つ重なっている日などはそのクラスのテキストをカバンに詰めながら、「重たいなー」と不満を感じる一方で、知を享受することの悦びを、感じたものです。5キロぐらいはあろうかというバックパックを背負って、私も往復8キロ弱の道のりを、ほぼ毎日通ったものでした。軽ければ楽ですが、重さが物語る人生の悦び、みたいなものを大事にしたいと思うのも、もうオッサンの証拠なんでしょうね(笑)。

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