オジマンディアス=S・ジョブズ?

『ウォッチメン』を見ました。(ネタバレ要素ありです)

2年前に,同じくザック・スナイダー監督による『300』にかなり入れ込んでいた私としては,期待して見ました。期待を裏切らない,いい映画だったと思います。ストーリーが多層的で,2回見ないとはっきりわからないところがありましたが,そういう意味では十分2回楽しめる映画でもあります。荒唐無稽と言えば荒唐無稽なのですが,自らの存在意義に悩むスーパーヒーローたちの内輪もめといった視点で観るなら,Dr.マンハッタンの超絶ぶりとか,まあ,ええか,という感じがします。だってスーパーヒーローの存在が自明の世界ですし,比較が適切ではないかもしれないですがギリシャ神話なんかに比べるとずいぶん理性的だし。

そんななかで一番感情移入できるのがロールシャッハでした。検索したところやはり人気は高く,「ロールシャッハ萌え」してらっしゃる方が多いようです。猟奇殺人犯を自らが法となって処罰する彼のやりくちは殺人犯のやりくちと同じぐらい残忍でグロテスクで,スーパーヒーローが普通持っている爽快さは微塵もありません。でも一般的なスーパーヒーローは同じことを爽快・痛快にやってるだけで,結果は変わらないわけです。彼は持ち前の「人間くささ」でそういうことを気づかせてくれます。だからロールシャッハがDr.マンハッタンの超絶技で一瞬にして「ぷしゅっ」と消されるシーンは極めて印象深かったです。

それにしてもオジマンディアス=スティーブ・ジョブズというGIZMODEの分析には相好崩れました。P.B.シェリーの「オジマンディアス」の連想から言えば,『ウォッチメン』のオジマンディアスの野望の先も見えている気がします。それだけに核の申し子超絶Dr.マンハッタンの行く末がかなり気になったりもします。寂しさとあきらめとほんのわずかな希望,といったラストでした。

ニューシネマパラダイス

BSでやっていたので久々にみました。(注意:ネタバレ要素あり)

イタリア(関係の)映画と言われて私がまず思いつくのはこれと『1900年』と『ゴッドファーザー』シリーズです。どれも人生の一代(かそれ以上)記で,最後じんわりと泣かせてくれます。『ゴッドファーザー』を全作品でひとまとまりとして考えれば,『ニューシネマパラダイス』はこのなかでは一番短い作品ということになりますがそれでも3時間以上。週末夜でちょっとビールも飲んでいたので,あくびを何回かしていました。いや,すごくいい映画ですよ。念のため。

前回みたのは学生時代。最後の連続キスシーンがとにかく泣けた記憶があります。20年近く経って,さすがにこれも知恵の悲しみか,キスシーンがいまいち泣けねえ,と思って,よく考えると,後日談がやたら長い印象を受けました。「あれ?こんなシーン」あったか?と何度も疑問に思いました。 ???と思って,終わってから調べたら「完全版」だったんですね。エレナとの再会のシーン,以前はありませんでした。一度みた人には,詳しいいきさつがわかっていいと思います。ただ,劇場公開版って,最後のシーンを最高に生かす編集だったんじゃないのかな,と思ってしまいました。