マルティン・シュタットフェルト

そうなんですよね。未だに「CD」を買ってます。クラシックに限ってなんですが。理由は・・・、まあiTMSにあがってないものが結構あるとかいろいろありますけれど、たぶん時代についていっていない私の一部分なんでしょう。

ともあれMartin Stadtfeldの『平均律クラヴィーア Vol.1』を買いました。近所になかったので、休日の気分転換も兼ねて高松のヤマハに行って、ついでにさぬきうどん食べてきました。

『平均律』についてはグレン・グールドのあのスタッカートがあまりに印象的すぎて、頭から離れない。「呪縛」と言われてる方もいるようですが、まさに、グールドという文脈の外側で鑑賞することが極めて難しい曲になってしまってます。その意味では、はじめてシュタットフェルトを通して聴きましたが、いいんじゃないでしょうか。なんと言うか、気負いがまったく感じられないというのか、透明感があるというのか、それ自体として成り立っている。

グールドの再来、とかいう評判もあがっているようですね。グールドは椅子の低さで有名ですが、シュタットフェルトも「椅子を低くして」といちいち注文をつけて面倒がられるのがいやなので「マイ・ストゥール」を持参しているらしいです。グールドを意識しているのでしょうか。

ともあれ、ゆっくり揃えて聴いていきます。ああ、何年かぶりに味わう、クラシックを聴く醍醐味。いいですなぁ。

クラシック好きです

わりと気が多いタチです。おわかりだと思いますが(笑)。

音楽もいろいろ聴きます。雑食です。クラシックも、まあまあ聴きます。

でも、もう何年もまともにクラシックの話題をフォローしていなかったので、ゲルギエフのシェヘラザードあたりで止まってます。ここ5年ほどCD形式でも電子形式でもほとんど買ってない。あ、古楽を今年まとめて何枚かiTunes ストアで買いましたが。

先日無性にバッハが聴きたくなって、イギリス組曲を聴きました。ポゴレリチです。聴いてるうちに、私の中でゲルギエフ以来のクラシックブームの到来を感じ、クラシック好きの友人に「最近なんかいいのない?」とかたずねたり、かなり聴く気満々のモードに入りかけてます。

そんなわけでダンボール何箱かに眠ってるCDを引っ張り出してきて、早速数十枚iTunesにインポートするところから始めました。しばらくはクラシック漬けで行きます。

ここ数年全く聴いていなかったので、おすすめの演奏家とか教えていただければうれしいでーす。

ちなみにその友人のおすすめは、私がバッハ好きなのを知ってか、シュタットフェルトでした。まともに聴いたことないので、早速今日にでもCD屋さんに行きます。

ベストヒットUSA

考えてみれば、私が中学生のころにダリル・ホールとジョン・オーツの音楽に出会って「洋楽」を聞き始めたことが、今英語を生業としている、ひょっとしたら直接の原因かもしれません。マイケル・ジャクソンをはじめ、ヒットチャートにのぼる曲はすべて聞いていましたが、ホール&オーツ(Rock’n’Soulとか言ってましたね)の少し大人な雰囲気に子供ながらうっとりして、TOTOとかドナルド・フェイゲンとか、いわゆるAOR(!)を無理して聞こうとしていたな、なんて思い出したりします。

昨日、BSで「ベストヒットUSA」を見ました。もうBSではずいぶんやってたんですね。知りませんでした。Karl Wolfというレバノン系カナダ人がTOTOの ‘Africa’ をめっちゃさわやかにカバーしてて、オッサン心がにわかにくすぐられました。これももう2年前なんですね。街のどこかで聞こえてきて、誰かがカバーしてるな、と思った記憶がありましたが、彼だったんですね。そんなKarl Wolfに小林克也がインタビューしていました。

そう。小林克也の流暢な英語に、すごいなあ、と思ったんですよ。その昔。

・・・なんか隔世の感が・・・

5パーセント

疲れていて何も考えたくないときがたまにあります。対処法はいくつかあります。音楽を聴いたりただテレビをつけてボーッとしたり。お笑い番組も見たりします。過去に録画していたビデオを見たりもします。

今日,仕事から帰ったらそういう状態だったので,いくつかビデオを見ました。たまたま行き当たったのが『情熱大陸』の「20世紀最後の坂本龍一」の回です。ブログを始めたばっかりですが,Marrさんという良き先達と出会うことができたのは,教授の音楽をめぐるMarrさんの芸術観に私が共鳴したからでした。「共感」というエントリでこのことは少し触れましたが,今日ビデオを見ていて再び思い出しました。

教授は[世の中の音楽の]95パーセントは伝統に基づいていて,本当にオリジナルなものはせいぜい5パーセントくらいで,自分はその5パーセントのほうに興味がある,と言っていました。2000年末ごろ,『ウラBTTB』がヒット(オリコン1位だったんですよね,そういえば)した後あたりの取材のようでした。この後,オリジナルアルバムに関しては『COMICA』,『CHASM』など,かなり実験色が濃くなっています。他にもアプトプットのチャンネルをいくつか用意して95パーセント部分の追求も怠りませんが,やはり彼の音楽表現の最も先鋭的なところはオリジナルアルバムに表れています。それまでにも『Esperanto』などの実験的な作品はありましたが,『COMICA』以降はさらに実験性が前面に出ている印象が私にはあります。

実のところ,当時リアルタイムで聞いていたときは,どうにも理解できなかったんです。Marrさんがブログで提起されていたのは,本当の芸術家が「自分の表現したい物を突き詰めていくと、誰にも理解できないもの(自分にしか理解できない表現)しか出てこなくなるんじゃないか」という問題でしたが,当時の私はこの頃の教授の音楽に対して,Marrさんのこの言葉に非常に近い印象を持っていた,と思います。

ただ不思議なのは,直近の『Out Of Noise』は,実験性は衰えていないにもかかわらず,比較的すんなりと入れたことです。感情移入,とまでは言えないかもしれませんが,なんとなくシンクロした感覚はありました。たぶん年齢によるものでしょう。

そうそう,すごく疲れているときにシェーンベルクのピアノ曲をたまたま聴いてみたとき,普段まったく理解できない音楽が少し理解できる気がする,という瞬間が以前ありました。年齢だけでなく,その時の精神状態にもよるのかもしれません。「たまたま」と言いましたが,ひょっとすると,シェーンベルクの曲には「疲れたときに聴きたくなる」という(シェーンベルクの作品を知っている人間に対する)アフォーダンスがあるのかもしれない,と今ふっと思ったりもしました。作り手の理屈を極限までつきつめるとケージの無音の音楽のようなものに行き着くのでしょうが,受け手にとってみれば,コンセプトとしては「なるほどねー」ですがはもはや音楽としてはとてもついていけない。でも時折,シェーンベルクの音楽が,単なるSEとしてだけではなく,琴線に触れる音楽として成立する可能性もある。・・・よくわからないなぁ。やはり「共感」の問題は,難しいです。

いずれにせよ,商業ベースにこうした実験を乗せられるアーティストはそうはいないことを考えると,教授,すごいな,とは思います。95パーセントの(中身もすこしばかりすくいあげつつその)端っこから,ケージのような極限の音楽の間の5パーセントのせまいすきまのなかで,創作を楽しむ(?)教授がいて,小学6年でYMOに出会った私は未だに,教授の音楽に馴化され続けているのかもしれません。

こうやって実験性に徐々に馴化して,いずれ『4’33″』とか『0’00″』に癒される・・・なんてことは100パーセントないでしょうね。

雲丹と風邪遊びとノーベル賞

今年のノーベル医学・生理学賞はアメリカのお3人方に,というニュースを見て人間の染色体って何本だっけ?程度の生物学的知識しか持たない自分を再確認しつつ例によって文系的志向性によりそういえばノーベル平和賞の候補にU2のボノがあがってる,てな話もあったな,という記憶を無理矢理喚起し,YouTubeでU2の動画をすこしあさってみました。Wikipediaによると2007年の時点ですでに1億7000万枚のアルバムセールスを誇る,とのことで,じゃあもう近々2億枚超えてくるんじゃないの?というくらいえげつないモンスターバンドであるわけです。U2は。今年出た”No Line on the Horizon”は”All That You Can’t Leave Behind”とか”How to Dismantle an Atomic Bomb”に比べるとインパクトは少ないものの,すごく力が抜けてる作りだなあ,と王者の余裕のようなものを私的には感じていました。’Get On Your Boots’が確か最初のシングルだった気がしますが,この曲を最初に聴いたとき私はサビの部分がいまいちわからず,聴き直して「これがサビなの?」と思うくらいちょっとひねくれた構成の曲です。ずっとU2を聴いている人には,彼らのキャリアを通じてのバランスから,まあ匙加減があるんだろうな,ということはわかりますが,例えばU2をこの曲で初体験,というような人は,なんでこんなショボいバンドがビートルズの次なの?と思うかもしれないな,と思いました。事実YouTubeのこの曲のコメント欄には賛否両論が錯綜してます。’Get On Your Boots’のビデオを今回初めて見ましたが,とりあえず私的には,Coldplayの’Viva La Vida’を聴いたとき一瞬U2か?と思ってしまった(人は多いのではないでしょうか)私に「本物はこっちだぜ」と言わんばかりに’Viva La Vida’風かつ数倍ゴージャスなビデオをお見舞いされてしまったような気がします。

[追記 10/9]ひねくれててもひねくれてるとあまり感じさせいない曲作りをするところが彼らのすごいところだとは思います。U2の曲の中には,あまり構成を考えさせない,というか,全部サビ,的な曲がわりと多いかもしれない,と思ってしまいました。やっぱりボノとエッジのカリズマがそうさせるのでしょうか。

ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン

Viva la Vida

Midnight Madness

ケミブラです。

4文字に省略できるのは日本語になじんだ言葉である,って柴田元幸氏は言ってました。こういう省略語がキライという方もいらっしゃると思うんですが,私としてはそもそも「ケミカル・ブラザーズ」と表記した時点でそれは日本語になってるし,それをどう加工しようと自由じゃないかと考えます。Chemical Brothersは言いやすいけど,やはり「ケミカル・ブラザーズ」はまどろっこしくて言いにくかったりします。ケミブラ,でわかるなら(わからなければ別ですが)それでいいような気もします。

それはさておき,昔ベースを弾いていたわたしとしては,ポップ音楽に目敏い(耳聡い?)友人の部屋で聴かされたイントロのスラッピング音のサンプリングにまず耳をそばだて,その後の吐き捨てるような”Back with another one of those block rockin’ beats”にけっこう衝撃を受けてからずっとケミブラを聴いているんですが,いちばん新しいところだと’Midnight Madness’のビデオにも,また少し触手を動かされてしまいました。音楽的にはいつもいい意味で期待を裏切ってくれて,新作が出るのを楽しみに待てる(悲しいかな[知恵の悲しみです]最近では数少ない)グループのひとつですが,ビデオがまた,私的にですが,めったにハズレないんです。’Galvanize’ではクラウンダンスに熱中する子供,’Get Yourself High’は香港功夫映画のパロディ,’Do It Again’は頭上から降ってきたケミブラの音楽にモロッコ(?)の村人が「感染」する,といった多彩ぶりです。場合によっちゃ,よく考えると人を食ったような傍若無人ぶりが不快と痛快の間すれすれで少しはらはらします。昔流行った「おもかる」「かるおも」っていう形容が向いてるかもしれない。それに’Star Guitar’のような単純に感心してしまうようなビデオも時折はさんできます。

‘Midnight Madness’では路地裏のゴミ箱から金色の妖怪(妖精?)みたいなのが飛び出してきて超絶技巧(画像処理も入っています)で踊りまくります。7つぐらいの少なめのカットで撮影している体をとっています。私,こういうさりげない(?)イタズラがかなり好きです。


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古楽

先日Ensemble Organumが気になる,と言いましたが,Wikipediaで少しだけ調べました。

マルセル・ペレスというフランスの音楽学者の方によって組織されたグループだそうです。ペレスさんはコンセルヴァトワールでオルガンと作曲を学ばれたあと,英国の王立教会音楽学校と英国教会で教会音楽を学び,その後カナダで仕事をされた後またフランスに戻って中世音楽などを学ばれ,1982年にEnsemble Organumを立ち上げています。このグループはグレゴリオ聖歌とそれ以前の音楽を専門にするそうで,私が買った”Notre-Dame School (Mass for the Nativity of the Virgin)”にも確かにグレゴリオ聖歌がいくつか入っています。それと,この時代のキリスト教教会音楽の発声法ってイスラム音楽の発声法なんかとかなり似ているのだな(近代以前の民族音楽の発声法って,世界のどの地域でもかなり共通しているのかな,というイメージがあるのですが,どうなんでしょう。詳しい方ご教示いただければ幸いです)と思わせる曲がいくつかあって,非常に興味深かったです。時間があったら音楽史とか勉強したいです。日本のアマゾンだと扱っている商品が限られているようですが,いくつか紹介しておきます。

Ecole Notre Dame / Mass for Christmas Day

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Missa Gotica: Avignon, Toulouse, Apt, Barcelona

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