IS03などを横目にAppleの統合化思想を再考してみる

最近、iPhone、iPad、MacBook Air 13インチ、MacBook Pro 17インチの4つをTPOにより使い分けています。App StoreがあるのでiPhoneとiPadは完全に互換的な環境が作れていますし、現在でもiPhoneやiPadとMacBookの連携はシームレスと言っても問題ないですが、まもなくMacにもApp Storeがやってくるわけで、さらに利便性が上がりそうな予感です。

私の場合、情報を閲覧(入手)し、少しの(ときには多くの)インスピレーションを交えてその情報を編集する、という作業を日常的に行なっています。インスピレーションの比率が高くなるとき(そうした時に限って気分が乗らなかったりするのですが)ハードやソフトの操作系のことで面倒なことが起こると、途端に作業効率が落ちます。アップル製品を使う前はこれが問題になっていたのですが、環境を完全にアップル製品にシフトしてからは、非常に生産性が上がりました。何を隠そうこのブログ自体がそのことの証明になっています。過去一年間にこのブログで書いた文章の量を見ると、自分で驚いちゃいます。仕事にその熱意を回せ、と(笑)。そういう意味で少し反省していたりして、最近すでにそうなっていますが、少しブログ更新のペースが落ちそうな予感はしています。でもそうならないように頑張りたいとも思っています。

それは置いといて。

日常の作業は時に非常に骨が折れます。実際のところ、私がアップル製品を使う理由は、①こうした日常の作業をいちばん「楽に」させてくれるからにほかなりません。そこに②UXのよろこびやデザインの素晴らしさといったおまけがついてくるわけです。(でも①と②の順番は、逆になるときもありますし、それがアップル製品の魅力でもあります)

日本で最初にiPhone 3Gが登場して2年半、IS03やGalaxyなどの魅力的なデバイスが出始めています。これは素晴らしいことだと思います。もちろん覚えておくべきなのは、同業各社が現在提示しているこれらデバイスの設計思想の基本的なところはiPhoneのそれに非常によく似ていること。リチャード・ドーキンスではありませんが、モバイルデバイスのエコシステムにおいてはiPhoneはいわば「ミームだまり」のようなものなのかな、と思います。つまり、優れているがゆえに、その技術が全体として発展的に生き延びていく。ジョブズがiPhoneで初めて示したマルチタッチディスプレイを持ったオールラウンドなモバイルデバイス、という基本思想は、アップル製品「以外」の製品にも受け継がれていっているわけです。

iPhone登場からすでに3年半、本当に競争力のある製品が出てきて「しかるべき」ですし、昨今の技術の進歩のスピードを考えるとこれまでにそうした製品が出てこなかったことがむしろAppleの先進性を証明する状況だと言えるわけで、これはあらためてやっぱり大したものだな、と思ったりします。

個別の製品の競争力が拮抗してきたとして、すっかりAppleに転向した私ですが、じゃあ文系のモバイル横好きの私が、他のちょっといいかもしれない製品に飛びつけるのか。

それはやはり難しいなあ、と考えます。

例のオープンかクローズドかの議論について、前回のAppleの決算報告でジョブズが次のように言っていたことを思い出します。

In reality, we think the open versus closed argument is just a smokescreen to try and hide the real issue, which is, “What’s best for the customer – fragmented versus integrated?” We think Android is very, very fragmented, and becoming more fragmented by the day. And as you know, Apple strives for the integrated model so that the user isn’t forced to be the systems integrator. We see tremendous value at having Apple, rather than our users, be the systems integrator. We think this a huge strength of our approach compared to Google’s: when selling the users who want their devices to just work, we believe that integrated will trump fragmented every time.

(実のところ、オープン対クローズドの議論は、本当の問題を見えにくくするための単なる煙幕にすぎない、とわれわれは考えます。本当は「消費者にとっては、断片化(分裂化)と統合化の対立のなかで、何がベストなものなのか」が問題なのです。われわれは、アンドロイドは極めて断片化されているものだと考えています。日を追うごとにどんどん分裂している。対して、アップルは統合化モデルを追求することに努めていますが、このときユーザーにシステムを統合することを強いることはありません。われわれは、ユーザーではなく、アップルという会社がシステムインテグレーターになることに価値を見出します。このことが、Googleなどと比してわれわれのアプローチは非常に強力であると考える理由です。ただ「使えるデバイス」が欲しいと考えるユーザーに対して売る場合、統合モデルが断片化モデルに常に勝つと、われわれは信じています)

And we also think that our developers could be more innovative if they can target a singular platform, rather than a hundred variants. They can put their time into innovative new features, rather than testing on hundreds of different handsets. So we are very committed to the integrated approach, no matter how many times Google tries to characterize it as “closed.”

(そしてデベロパーは、たくさんの変種がある環境よりひとつのプラットフォームを利用することが前提になることでより革新的な仕事ができると考えています。何百もの異なるデバイスをテストすることなく、製品そのものをいいものに仕上げることに時間を注ぐことができる。だからこそ、Googleがこうした状況を「クローズド」だとしてなんども批判しようとも、われわれは統合化アプローチに心血を注いでいるのです)

これを読むと、私はまさにジョブズが想定する消費者のひとりだ、と思います。

私は現在ではアップル信者ですが、それは、アップルが私の生活を極めて充実させてくれる環境を与えてくれてこそなんです。以前はテクノロジーの勉強もしておいたほうがいいと思って言語を少しかじろうとしたこともありましたが、そもそも素人です。時間もなければ才能もない。そんな人間が生半可に足を踏み入れられるものではない。ならば、信頼に値するメーカーの製品を使い、消費者としてものを言うほうが懸命だ、と考え方を変えました。

結果、アップルの統合化された環境の中で、極めて生産的な生活を送ることができています。

モバイル好きな私の一部分は、もちろん新しいデバイスに関心があります。ひょっとしたら試してみることぐらいはするかもしれませんが、結局のところ少し機能が拮抗してきたからといって、アップルが提示している統合的で効率的な環境を捨てることは、今のところ考えられません。

結局は、自分が一番大事だ、ということなんですけど(笑)。でも、そういうわがままな感じの私の要求に答えているのが、まさにAppleという会社の製品なんですよね。

近い将来にしんどい仕事があるときは、その先の楽しい予定のことを思いながら、その場をしのぐ(笑)。たぶん誰でもやっていることだと思いますが。

Appleの戦略って、これですよね。新しいOS X、AppStore for Mac、新しいiPad(?)、さらにはクラウドサービスなどなど、ユーザーの気持ちをわくわくさせるような可能性を常に用意して、たまに裏切るかもしれませんが、大体は当ててくる。最近は打率が高すぎて、嬉しいことであると同時に、こちらの懐事情も大変です(笑)。とはいえ、私の場合も、iPhoneとMacBook Airの組み合わせだけでも事実上事足りている気がします。iPadとProはいわば贅沢です。おかーちゃんごめんなさい。

アップルと反トラスト法、複数の意見

連邦取引委員会と司法省がアップルの調査に乗り出すのか、ということでさらにややこしいことになってきておりますAppleとAdobeの確執。

GigaOMの “What the Web Is Saying About Apple and Antitrust“という記事が、いくつかの意見を参照して、この問題への理解を促そうとしています。

まず連邦取引委員会のDavid Baltoの見解に関するロイターの引用。

What they’re doing is clearly anticompetitive…They want one superhighway and they’re the tollkeeper on that superhighway.(彼らがやっていることは明らかに競争を阻害するものだ。彼らは高速道路をひとつだけ作って、料金を徴収しようとしている)

次にWall Street Journal。

Apple’s new language forbidding apps from transmitting analytical data could prevent ad networks from being able to effectively target ads, potentially giving Apple’s new iAd mobile-advertising service an edge, executives at ad networks say. One wireless-advertising executive said he was contacted a few weeks ago by an official from the FTC who wanted to talk about how the mobile-ad industry works, the Apple developer agreement and how it could affect the executive’s business.(分析データ転送を禁止するアプリケーション[注:”new language forbidding apps from~”が理解出来ていません。ご教示くだされば幸いです]は効果的な広告のネットワーク構築を妨げ、アップルのiAdに優位性を与える可能性がある、と広告ネットワーク関係者。ワイヤレス広告関係者は数週間前に連邦取引委員会から、モバイル広告産業の現状やアップルのデベロパーへの対応、自身の会社への潜在的影響などについて聞きたい、と連絡を受けたことを明かした)

もうひとつWSJ。連取委競走局のKenneth Grazerへのインタビューから。

Glazer indicated that, as the smart-phone market stands now, regulators could have a difficult time proving monopolistic practices because Apple’s share of that market, though growing, remains below a certain threshold. He said regulators might avoid that problem if Apple begins dominating the iPhone advertising market, although the mobile-ad market in general is so young that many questions remain.(スマートフォン市場の現状について、監視機関が独占的な行いを立証することが難しいのが昨今の状況だ。というのもアップルのシェアは大きくなってはきているが、まだ独占とはいえないからだ。アップルがiPhoneの広告市場を独占しようものならすぐにでも動くだろうが、一般的に見てモバイル広告市場の歴史は浅く、様々な問題が残ったままだ)

当ブログでもおなじみJohn Gruberによる、あるデベロパーがアップルによる統制を受けた、というレポートに対する疑問。

This guy isn’t a federal regulator, but he seems to be arguing that he has a right to use Flash, or at least some sort of cross-platform solution, to develop for iPhone OS. Why not write web apps, then?(彼は監視機関の当局者じゃないのにFlash、もしくはクロスプラットフォームを使う権利があると主張している。ならばウェブアプリを書いたらいいんじゃないか?)

ZDNetの編集長、Larry Dignanが当局の介入に疑問。

Apple simply doesn’t have the world domination market share in the iPhone or iPad for regulators to give a hoot…Call me crazy, but I’m not sure I want the Feds playing around with SDKs. It smells like micromanagement to me and that’s dangerous.(アップルはiPhoneでもiPadでも当局が関心を抱くほどに市場を独占しているわけではまだない。おかしいといわれてもかまわないが、当局に動いてほしいとは思わない。それこそマイクロマネージメントだし、危険じゃないかな)

Fotuneがマイクロソフトに対して連取委が動いたときのことを引き合いに。

To win a Sherman Antitrust case against Apple, the government would have to prove both that Apple’s market share constitutes a monopoly — itself not illegal — and that it has abused that monopoly power in ways that damage its competition.(シャーマン反トラスト法のもとでアップルに勝つためには、政府がアップルが市場を(それ自体がそもそも違法ではない)独占している状態であること、そして競走を阻害するほどに独占的な力を濫用したことを証明しないといけない。

EngadgetのNilay Patel(弁護士)は、連取委か司法省が動いても事態が長期化することを指摘。

Assuming the report is true, an inquiry would still just be the very first step — whichever agency is ultimately put in charge would then have to launch a formal investigation and then finally file and win a lawsuit for any changes to occur. That’s a timeframe measured in months, if not years.(報告が本当であったとして、調査はまだ序の口だ。どちらが調査するにしろ、これから正式な調査を初めて、提訴し、何らかの変化をもたらすため訴訟に勝つ。数年はないにしても、数ヶ月単位で事が運ぶだろう)

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以上が引用の紹介です。

冷静な見方が多いです。先日スマートフォンのシェアに関する記事を書きましたが、アップルのシェアは4分の1です。むしろRIMが41% と他を圧倒している感じです。むしろ、これからしばらくの間、アップルがどれだけ業界を牽引していけるのかという「予測」に皆翻弄されている気がします。まさにアップルの一挙手一投足に注意が向けられているといったところでしょうか。

気がついたらアップルの株価がすごいことに

アップルの株価がすごいことになってますね。

Market Watchが報じるところでは、3日(月)には267ドルまで跳ね上がったということです。これって最高値?と思ったら “near a new record” とのことですので、これより高かったこともあったんですね。

“Fund managers are afraid not to own it. Hedge funds are afraid to bet against it.”(ファンドマネジャーは怖くて持たざるをえない。ヘッジファンドは怖くて逆張りできない)とアップル株の強さの雰囲気が伝えられています。先日のiPadが100万台を突破したニュースが影響していることは間違いないでしょうけれど、 それでも5年前は30ドル台だったことを考えると、すごい伸び方です。しかしこれだけ強いと、弱気のセンチメントが出てきた時が少々怖いですね。

愛おしさの音

1997年でした。

それまでワープロで文書編集をしていたのですが、やはりそろそろ「パソコン」を使わないと、と思い立って最初に買ったのがPower Mac 7600/200。私とアップルとのつきあいはここから始まりました

ジョブズがアップルに復帰した年にMacを使い始めたことになります。でも当時は業界に関する知識などほぼ皆無に等しいものでしたから、そんなこと知る由もありません。ただ身近にMacに詳しい人がいたことが購入の理由でした。

7600/200を4年間使ったあと知人に譲り、iBook G3を買って6年ほどこれを使いました。1年ほどMacのブランクがあったのですが、2008年にMacBook Airで復帰。現在に至ります。

TechCrunchのMG SieglerがFacebook, The App Store, And The Sound Of Inevitabilityという記事で、現在のFacebookやApp Storeの状況もオープンなシステムとクローズドなシステムのサイクルの一部であって、閉鎖性を憂慮する声もあるが、心配することはない、と90年代のAOLの盛衰を引き合いに論じています。FacebookはOpen Graphがオープンとクローズドのバランスをとる形になっているし、アップルもHTML5そのものをコントロールしているのではない、HTML5はまだ成熟していないが、そのうち魅力的なアプリが自由に作られることになるだろうし、結果としてこれがApp Storeモデルを壊すことになるだろう、と、Facebookもアップルもいずれはオープンに向かうという予測をたてています。

「我関せず」ならば、こういう議論をフォローすることに意味を見いださないでしょうし、フォローする限りはやはりある程度業界の事情に通じていたい、という思いがあるので勉強もしているのですが、私自身の「パソコン」歴を振り返ったときに、原体験としてMacがあることは、それこそ “invebitable” なことだな、と、”The Sound of Inevitablity”(必然性の音)という映画『マトリックス』から引用したシーグラーさんの表現を見て思いました。

業界を俯瞰してみるならば、そういうサイクルで見ることができる。で、のるかそるか、で流れを読むことが死活問題な業界の方々に比べて、私がいかにのんきに、いち個人ユーザーとしてデバイスを使っているか、ということも自覚している。

でも、私個人という人間が一生のうちに使えるモノの数というのは決まっている。トレンドは大切ですが、使いたいものを使いたい。

シーグラーさんが「必然性」といってますが、『マトリックス』でエージェント・スミスがこの台詞を言うのは地下鉄での戦闘シーンでのこと。ネオを追いつめたスミスが迫りくる地下鉄車両の音をネオに意識させるために言います。でもその後ネオは “My name is Neo!” と叫んでスミスを返り討ちにするんですよね。つまり(少なくとも)このシーンでは「必然性」は跳ね返されてしまう。もちろんこの映画の最後では、ネオの物語もそれこそ運命の大きなサイクルのなかの一部でしかないことが暗示されて終わりますが、この台詞自体の謂いはむしろ「必然性」に抗うネオの強靭な意志にある気もします。

アップルがウェブやインターネットやその他の情報を覗く魅力的な「箱」を提供してくれる限りは、私はアップルを使い続けると思います。だって、あの「ジャーン」の音が聞こえなくなるなんて、私には耐えられないんですもの(笑)。さしずめ私にとってこの音は “the sound of indispensability”(絶対必要な音)といったところかもしれません。

Macで作業効率を高めて成績も上げましょう

連休明けまでに終わらせるべきことが山積なのに脳が半休眠状態なzackyです。

半休眠状態な頭でも仕事がしたくなるのがMacのいいところ(?)なのですが、そういう生産性向上のメリットを現場に導入しようと言う賢明なリーダーがいるというのは素晴らしいことだと思います。

AppleInsiderによりますとあの「フィラデルフィア」チーズでおなじみのKraft Foodsが、仕事で使用するパソコンを自分で選ぶことができる裁量を社員に与える “Bring Your Computer”というプログラムを導入したそうです。

Everyone works differently. For some, a standard computer or laptop is just the right tool to get their work done. For others, a computer with a little something extra – a different operating system, custom hardware, more memory, etc. – is the best fit for their job.(仕事の仕方は人によって違います。一般的なデスクトップやラップトップコンピュータを仕事に活用している人もいれば、違うOS、カスタマイズしたハードウェア、より多くのメモリなど、少し特別なもののほうがいい、という人もいます)

なんだか往年の “Think Different” CMを彷彿とさせる文言ですが、クラフトフーズではこのプログラムが “best suited for employees who want to use a particular type of computer that isn’t currently supplied or supported by Kraft Foods, such as a Mac”(現在社内で供給・サポートされていないタイプのコンピュータ、例えばMacなどを使いたい社員にぴったり)であるとMacの名前をあげていて、事実上Macの使用を奨励しているようにも見えます。ほかにも在宅での仕事に合わせた環境を作りたい人なども対象としていていますが、いずれにせよ社員の仕事の出来不出来にコンピュータの選択が関わる、という認識を会社として示していると考えられます。

現状は米国内のクラフト社に限られるそうですがグローバル展開も視野に入れているとのことで、プログラム参加者はセキュリティや特定のソフトの導入などに関する一定のガイドラインに従うことを条件に補助を受けられるということで、Macな社員さんの成績がアップすること請け合いです。

ただ、作業効率を上げる目的ですから、生半可なスペックのマシンは許されません。UltimateなVistaか7のPC、もしくはSnow LeopardのIntel Macに2GHz以上のプロセッサと2GB以上のメモリを積んでいることが条件のようです。Macの場合はストアで新規購入するならばこれを下回るスペックのものはありませんから心配はないでしょうけど、旧モデルを持ち込む方は注意ですね。私の初代MacBook Air(Core 2 Duo 1.6GHz)はSSD換装でかなりデキる奴になってるんですけど、ダメですよね(笑)。

ジョブズのFlashについての公式見解(抄訳)

ジョブズがFlashについての見解 (“Thoughts on Flash”)をアップルの公式サイト上で発表しました。

アップルがアドビにとっては最初の大口の顧客であったことなど馴れ初めから語り始めつつ、すぐさま本題に入り、Flash不採用の理由がApp Storeを守るためだと言われるが本当は技術的な理由によるものである、として、アップルが「閉じて」いてFlashが「開いて」いると言われるが、実は逆だ、と主張し、6つの理由と結論を順に述べていきます。

以下、主旨を損なわない程度の抄訳です。文系アップル系ブロガーを自認していますが、なんとなくよくわかった気がします。最後はアドビにアドバイスまでしちゃって。貫禄ですね。自習目的ですので、誤りがありましたらご指摘いただければ幸いです。

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1 「オープン」であること

Flashはアドビの専売品である。アドビが全てをコントロールできる点でFlashは閉じたシステムである。アップルも独自のOSなど専売品をたくさんかかえるが、OSとは違ってウェブ関連のスタンダードについてはオープンであるべきだと強く信じている。FlashではなくHTML5、CSS、JavaScriptを採用しているのはこのためだ。アップルが完全にオープンなHTML5のレンダリングエンジンであるWebKitをつくったのもこのためで、Andoroid、Palm、Nokiaがすでに使っているし、RIMも採用予定である。

2 「フルウェブ」であること

アドビによると、アップルのモバイルデバイスはウェブ上の75%の動画はフラッシュによるものなので「フルウェブ」にアクセスできない、ということだが、これらの動画はH.264でも利用でき、iPhone、iPod、iPadでも見ることができる。ウェブ上の動画の40%を占めるとされるYouTubeも全てのアップル製品で見ることができるし、iPadはYouTubeを見るには最高のデバイスになるだろう。Vimeo、Netfix、Facebook、ABC、CBS(他多数)などのビデオも当然見ることができる。見られないものは多くはないはずだ。Flashのゲームは確かにできない。しかし現在App Storeには50,000タイトル以上のゲームが揃っていて、その多くは無料だ。

3 信頼性、セキュリティ、パフォーマンス

シマンテックによれば、Flashは2009年の最悪のセキュリティ記録をもつ。われわれの知るところではMacのクラッシュの最大の原因がFlashだ。対応を求めて協議したが近年は平行線。信頼性や安全性を落とすわけにはいかない。さらに、Flashはモバイルでのパフォーマンスがよくない。これも対応を求め、アドビはよくなる、と言っているが、いっこうによくならない。そのうち出るかもしれないが、もう待てない。

4 バッテリの持ち

ソフトウェアで動画をデコードするには多くの電力が必要だ。一方現在多くのチップが搭載しているH.264デコーダはブルーレイに使われている規格でもあり、アップル、グーグル(YouTube)、Vimeo、Netflixも採用している。Flashはこの規格を最近サポートしたが、Flashを使うサイトは旧世代のデコーダが必要で、モバイル機には実装されておらずソフトウェアで対応する必要がある。再生時間はソフトウェアで5時間、H.264では10時間。H.264でエンコードできるサイトだとSafariやChromeなどのブラウザでも見ることができる。当然iPhone、iPod、iPadでも。

5 タッチ

<これについては拙ブログ記事 iPadにFlashが乗らない本当の理由の内容とかぶっているようですのでそちらを参考にされてください>

6 最も重要な理由

プラットフォームとデベロパーの間にサードパーティのレイヤーが入ることの弊害をわれわれは身にしみて経験している。プラットフォームの強化と進化が妨げられるのだ。サードパーティが共通プラットフォームの開発ツールを供給しだすと自体はさらに悪くなる。そのサードパーティは、あるプラットフォームの機能強化を、ほかのプラットフォームで利用できないことを理由に受け付けない。畢竟デベロパーは公分母の部分しか利用できないことになる。Flashは共通プラットフォームであり、その目的はiPhone、iPod、iPadのアプリケーションをデベロパーに書かせることではない。彼らの目的は、彼らのプラットフォームで書かせることだ。アップルの機能強化への対応がどれほど遅かったかは、OS Xが出てから10年が経とうとしているのに本当の意味で彼らが対応したのはCS5を出荷したほんの2週間前であることを見れば明らかだ。アドビがメジャーなところではOS Xに対応した最後のサードパーティデベロバーだ。われわれがやりたいことはシンプルだ。最新の、革新的なプラットフォームをデベロパーに提供し、直接利用してもらい、最良のアプリを作ってもらいたい。

結論

FlashはPC時代のものだ。PCとマウスの時代の。Flashはビジネスとしては成功した。PCを超えてそれを使わせたいこともわかる。しかし、モバイルの時代は低電力、タッチインターフェース、オープンウェブ規格の時代であり、Flashでは役不足なのだ。すでに200,000のアプリケーションがApp Storeにあることが証明しているのは、ゲームを含むグラフィックに優れたアプリを作るために多くのデベロパーにとって Flashがもはや必要ではない、ということだ。

新しいモバイル時代におけるHTML5のようなオープンな規格がモバイルにおいて(PCにおいても)勝利するだろう。アドビも、アップルを批判するより素晴らしいHTML5のためのツールをつくることに以降は専念した方がいい、と思う。

(終)

HPがPalmを買収。スマフォのシェアを調べてみた。

Hewlett PackardがPalmを買収する、というニュースが飛び込んできました。

買収額は12億ドル。アナリストによればPalmは売上の落ち込みで引受先を探さざるをえない状況だったということですが、Lenovoなどの名前があがっていたとか。そういえば以前DELLがPalmを買うといううわさもありましたよね。

昨日ルービンのことについて書きましたが、New York Timesのインタビュー記事にAndroidのシェアが9%に伸びた、とあり、ほぉー、と思っていたのですが放置していたのでスマートフォンのプラットフォームのシェアを調べてみました。下図は先日(4月5日)comScoreが発表した2月時点のシェア。

なるほど。Google急成長。Palmと入れ替わっている感じですね。MSも厳しい。それにしてもRIMは強いですね。スマートフォン本家としての風格でしょうか。

Appleは明らかに新iPhone待ち状態。

ルービンは「Androidがいずれトップになる。自信がある」と言ってましたが、この先のシェア争い、見ものです。