次のAndroidはFlashサポート、そしてiPadを買ったルービン

今年の初め、Nexus One発表の折に、TechCrunchのMichael Arringtonが、ジョブズの後継者として(冗談半分に)グーグルのAndy Rubinの名前を上げていた記事を読んで以来、ルービンが気になっているzackyです。

そのルービンがAndroidの次のバージョンFroyo(=frozen yogurt) について、FlashをサポートすることをNew York Timesのインタビューで確約したそうです。以前は「必ずしもそうではない」と言っていたようですので、方針の変更したんですね。このあたりの機微はよくわかりませんが。

理由について “Sometimes being open ‘means not being militant about the things consumer are actually enjoying'”(開かれていることが「実際に楽しめるものについて消費者に対して攻撃的ではないことを意味する」こともある)とルービンは言っています。またAndroidフォンがいずれiPhoneやBlackberryを抜くか?という質問に対しても “I don’t know when its might be, but I’m confident it will happen. Open usually wins.”(いつになるかわからないが、いずれそうなる自信はある。「オープン」はいつも勝つんだ)とやっぱりオープン/クローズなアティチュードのポジショニングを意識的にしながら、アップルを「北」に例えたりと、結構言いたい放題です。

でも、このあたりがルービンの「オープン」なところなのでしょうか。妻のためにiPadを買った、と。敵情視察の事実についても隠し立てしておりません。iPadについては “a certain demographic that consumes more than produces”(特定の、生産より消費傾向が高い層)への牽引力があるだろうとして、新しいマーケットを創り出すというよりはラップトップマーケットに食い込んでいく形になるだろう、と予想しています。

でも、iPadを買う層を「生産より消費傾向が高い」と言ってしまうあたり、やはりジョブズとは全く異なるセンスの持ち主だな、と私のような文系人間は思います。ルービンはテクノロジーがテクノロジーを生み出す「生産」性をこの場合は明らかに意識していると思われます。でも、私のような人間からしてみれば、iPadが生産性に大きく貢献することは明らかです。私のように情報を取り入れ(=消費し)て、その情報を元に新たな情報を生産する人間にしてみれば、iPadは生産性に大きく関わります。ブログを始める前の私ならいざ知らず、ブログをはじめてからの私の生産性といったら、自分でも驚いているぐらいです。その生産性に寄与しているのが何を隠そうMacBook Airをはじめとしたアップル製品なんです。

最近のTWiTだかMacBreak Weeklyで、Leo Laporteが、たぶん誰かの意見にメンションして「オープンネスにこだわるのはギークだけだ」と言っていて、なるほどと思ったのですが、業界の「オープン」 vs. 「クローズ」対決、一体どうなるのでしょうか。

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読んでいただいてこそのサイト(ブログ)です(ペコリ)

最初は備忘録の域を超えることなどないだろう、と始めた当ブログですが、MarrさんApple-Style所長さんに導いていただき、少なからずの(というか私的には想像を超えた多くの)方々に読んでいただけるブログになりました。ただ、やはり継続的に書くというのはなかなかに大変だな、と実感しているこの頃です。読んで頂いている読者のみなさんにも、読んでいただくことでためになる、役立つブログでありたい、と、思っています。

と、拙ブログ読者の方々のことを考えている時に、例のMichael ArringtonのEverybody Forgets The Readers When They Bash News Aggregatorsという記事にでくわしました。この記事でアーリントンは、Mark Cuban(NBAチームのオーナー、HDNet会長などを務める起業家)がアグリゲーター批判したことを問題視しています。

“The word that comes to mind is vampires . . . .  When you think about vampires, they just suck on your blood.”

(「浮かんだのは吸血鬼という言葉だ。吸血鬼って、誰かの血を吸って生きているだけだろう?」)

キューバンのこの発言を取り上げたMedia Daily Newsの記事は「歯に衣着せぬ億万長者且つ扇動者であるMark CubanはGoogleとその他のアグリゲーターを「たかり」かそれ以下だとして批判した」としているのですが、アーリントンの主旨は、キューバンがこうした態度を示すことは、業界人でもある彼自身のためにはならない、ということのようです。

記事によるとキューバンは、Googleニュースなどのアグリゲーターがニュースサイトの情報を「盗んで」そのことで利益を出していることを批判し、Wall Street JournalやNew York Timesなど課金制をすでに導入あるいは導入予定のニュースサイトを擁護しているわけです。これまで単なる読者目線でネットで記事を読んでいた私は、こうした問題が存在することを知ってはいましたが、ネットでの「書き手」目線で改めてこのことについて考えたとき、とても難しい問題だな、と思いました。

私も普段、TechCrunchやTWiTなどをソースとして、つまりいわばニュースの二次利用をしながら自分なりに記事を書くことが多いです。もちろん私の場合、記事を書くことは全くの非営利活動(笑)です。

アーリントンのキューバン批判はこのニュースの二次利用に関係しています。素人目に見てもアグリゲーターが行っていることはニュースの二次利用なわけで、そこに利益が絡んできていることは、確かにどうなんだろう、と思うふしもある。

昔は「従来型の新聞社」のサイトから情報を得ていたが、今や「世界は根本的に不可逆的に変わって」しまい、TwitterやFacebook、またはアグリゲーターから情報を得ることがほとんどである、とアーリントンは言います。そして「従来型の新聞社」がアグリゲーターをブロックすることは、大きく見るならば、「自分のサイトの記事を読んでくださいというお願いを読者にしたくない」と言っているのと同じだ、と言うのです。

Marrさんがアップルと出版社の権利の駆け引きについて書かれていた記事の内容とも関連すると思いますが、アーリントンの記事を読むと、電子媒体で閲覧する情報の対価(これが延いてはハードコピー上の情報の価値に影響を及ぼすことになりますが)についての議論がまだまだ始まったばかりなのかな、という印象をますます強くします。先は長いのかな、と。

アップルに対して辛辣に見える時があるアーリントンには「なにおぅ!?」と思うときもあるのですが、アンディ・ルービンをジョブズの後継者かも、とする彼の記事に見られるように、彼のテクノロジー業界全般のことを見据えたようなビジョンに対しては、感服させられます。

ただ、どちらもどちらだ、と思ったりもするんですよね。新聞記者が経験と能力を発揮して取ってくる記事についてはやはり報酬が支払われるべきである。で、そうした第一ソースの焼き直し「だけ」で利益を得るようなやり方には賛成できないけれど、アグリゲーターなどは、一定の技術的投資があってこそ成り立つわけだし、そうしたアグリゲーターから一定のトラフィックが従来型の新聞社サイトに行っていることは確かだから、アグリゲーターを批判ばかりもしていられないのでは、と素人ながらに思ったりします。もし従来型の新聞社サイトが何らかの形で課金する場合、そうしたアグリゲーターなどからのトラフィックを遮断した上でもそれ相当の利益があると見込んだことになるとしか考えられませんが、実態はどうなんでしょう

アーリントンの言葉で言えば、従来型の新聞社は “the losing team” であり、その反対が無料でニュースを配信し続けるニュースサイトである、ということ。彼の世代は従来型の新聞社サイトを見ない、とも言っています。アーリントンは1970年生まれ、私は68年生まれですが、確かにネットでニュースを読むことに限って言うなら、無料で見られるサイトしか巡回していません。一時期は紙媒体の新聞にこだわっていたんですけど、最近は書評欄などのコラムを除けばほとんど読まないかもしれない。むしろ、Twitterなどから非常にコアなニュースを知ることができる、と実感している今日この頃です。

Twitter → TWiT

最近Tweetしはじめております。だからTwitterについて書こうと思ったのですが,Webを残念がってる暇もないハイブロウな人たち:Leo Laporte vs. Michael Arrington,という記事が目に入ってしまい,インパクトがありすぎてこっちが気になってしまいました。TWiT.tvのレオ・ラポートがTechCrunchのマイケル・アーリントンにブチ切れてます。(Twitterについてはもう少し理解してから書くことにします。使うまでと使ってからのTwitterに対するイメージが180度変わってしまった,ということだけは今言いたいので言っておきます。)

TWiTは10回目ぐらいから聞いています。今週で216回ということだから,もうかれこれ4年ということになりますが,レオのhigh-spiritedな声を聞くと内容とは関係なく(!)私はとりあえず元気になれます。MacBreak WeeklyWindows Weeklyなど彼がホストする番組は週10個では済まないんじゃないでしょうか。

Palm Preの一件は,TechCrunchの番組Gilmor GangがTWiT.tvに移ってきて間もない頃に起こって,Gilmor Gangはこの後TWiT.tvからなくなりました。マイクはレオが「タダで」Preを入手したことをことさらに強調して煽って(レオの言葉だと”trollish”)ます。何もそんなに怒らなくても,というのは,表向きの(馬鹿っぽくさえ見える[もちろんわざとですが])陽気さとは裏腹のレオのテクノロジーに対する真摯さと厳しい目を知らない人のセリフでしょう。(追記:これではレオを良く言い過ぎでしょうか。「同じ業界人なのに何自分は身奇麗みたいなことぬかしてやがるんだよ(怒)」というところ?)

もちろんお互い事情はあるのでしょうけど。しかし見事な切れっぷり。ある意味クールです。


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